今回は花粉症の実際の治療例をお話します。
Q くしゃみ、鼻水、鼻づまりがひどく、特に朝起きたときくしゃみが出て困っています。(45歳・主婦)
A 漢方では冷えや風邪など、温度差の影響によって起きる症状を「風寒」といいます。
この場合は「小青龍湯(しょうせいりゅうとう)」か、「葛根湯(かっこんとう)」を処方します。
この方は小青龍湯を半年服用して完治しました。
Q 毎年2・3月になると目がかゆくなり、鼻づまりがひどくしばらく続きます。
他には何の症状もないのですが。(20歳・学生)
A おそらく花粉症(花粉アレルギー)と考えられますが、目のかゆみと充血、熱感もあるようですね。
漢方では首から上が熱い状態を「風感(表熱)」といい、銀ギョウ散を服用して症状を取り除きます。
Q 花粉症の症状とともに、全身の倦怠感と頭重感があり、仕事も手につきません。
この時期は気分が優れず、憂鬱です。何とかなりませんか。(47歳・会社員)
A この方は一般の市販薬(航ヒスタミン剤)を服用すると。眠気や全身の脱力感を催すとのこと。
このような場合、漢方はなかなか反応してくれません。
漢方では、このような状態を「陽虚」と呼び、体内の陽気が欠乏したために、体のだるさや頭重感、手足の冷えが出てくると考えます。
「麻黄附子細辛湯(まおうぶしさいしんとう)」で体内に陽気をつくり、元気を取り戻します。
特に手足の冷えにはよく効く薬です。